米艦隊は重大な損害をこうむった。
日本は宣戦布告なしに太平洋において米と戦争状態に突入した。
「日本の航空機工業への援助（金融的援助の他に）という点では アメリカ合衆国は日本政府よりも多く尽くしたのであった。 アメリカの戦闘機 爆撃機の操縦者達がアメリカ合衆国設計局が、当初設計した構造の飛行機と戦かわねばならなかったことは悲しむべき事実である。日本の発動機とプロペラはアメリカが戦前売り渡した特許により得たアメリカの設計図にしたがって製作されたものである。日本の指導的な航空技師の多くは マサチューセッツ工科大学やカリフォルニアのスタンフォード技術学校で教育を受けた。更に多くの日本の航空機製作者たちはカーチス、ダグラス、ボーイング、ロッキードの工場で見習いとして働いていたのだ。」
日本は開戦当日に米艦隊に手痛い一撃を加え、それに次いでイギリスの軍艦プリンス オブ ウェルスとレパルスを沈没させイギリス艦隊にも重大な損害を与えた。
1941年12月26日 日本軍は香港を占拠した。
連合作戦を展開しながら日本は1942年1月2日にはフィリピンの首都マニラを2月15日はシンガポールを占領した。
東南アジアにおけるイギリスとアメリカ、オランダとフランスの植民地当局はこれら諸地域では 日本の攻撃よりもはるかに巨大な勢いで成長する強力な民族的反ファシズム運動をおそれていた。日本の侵略者たちに対して向けられた民族運動は不可避的に反帝国主義的性格を帯びた。
真珠湾攻撃のひと月前1941年11月 近衛内閣は総辞職した。
原因は 外交問題における見解の対立であると公表された。
近衛辞職の理由と、「日本はもはや 独ソ戦が発生した結果による国際情勢の発展に対して無関心ではいられなくなった。」という東条の公式声明は、米では新しい日本政府が既に近い将来対ソ戦争にはいる考えであるという風に解釈された。
東条自身がソ連に最も敵意を持っている陸軍グループに属するだけに アメリカのひそかな願望に合致しているアメリカのブルジョア 出版物の、「近く日本による対ソ攻撃は不可避である という格言が広く流布されるに至った。
侵略強盗帝国同士の醜悪で甘美な夢想がまだ残っていたのである。
