成田空港の誘導路脇の農地に空港反対派が設置したやぐらなどの撤去作業が15日夜、始まった。農地の明け渡しを求める成田国際空港会社(NAA)が起こした訴訟の判決で、強制執行が認められていた。裁判所の執行官らが作業に当たった。空港用地内での強制執行は2017年5月以来。
午後8時過ぎ、千葉県警の機動隊員らが到着すると、反対派やその支援者数十人が「帰れ」「農地を守り抜くぞ」とシュプレヒコールを上げた。 対象の農地はB滑走路の誘導路近くの計約4600平方メートル。反対派の市東孝雄さん(72)が耕作し、廃港を主張する三里塚・芝山連合空港反対同盟北原派が、やぐらや看板などを設置していた。 空港用地内の市東さんの耕作地は、今回の対象を含め2カ所あり、計約7200平方メートル。16年に最高裁で明け渡しを命じる判決が確定したが、その後も関連訴訟での係争が続いた。 昨年9月、NAAが北原派にやぐらの撤去などを求めた訴訟で、東京高裁が一審に続き請求を認め、判決確定前に強制執行が可能となる仮執行宣言も付けていた。