捜査を行っているのは日本の国税庁にあたるIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)という組織です。これまでは、FBIが水原氏ではなく賭博業者をメインにして捜査を行っていたところ、大谷選手の口座からの送金が発覚し、現在は水原氏自身が捜査を受ける対象になったというわけです。 IRSは、水原氏と借金の相手と言われている賭博業者マシュー・ボイヤー氏について捜査を進めていますが、2人が出会ったのは2021年でした。サンディエゴでポーカーをする場で初めて顔を合わせたということですが、それ以降、水原氏が賭けを行うようになっていったということです。
今後考えられる“4つのシナリオ” 弁護士に聞く
大谷翔平選手の口座から送金されたわけですが、この「送金」について大谷選手が「知っていた」/「知らなかった」ということが最初の分岐点になります。 大谷選手が送金を知らなかった場合、もともと水原氏に「口座へのアクセス権」が「あった」/「なかった」ということで分かれます。 (1)送金知らなかった+口座へのアクセス権あり 大谷選手には知らせずに送金したということになるので「違法賭博罪」に加えて「横領」という罪が科されるということです。 (2)送金知らなった+口座へのアクセス権なし 何らかの方法でパスワードなどを盗み見て勝手に送ったということになるので「窃盗」になります。 (1)(2)の場合、原則「3年以下の懲役」または「罰金」になるということです。 次に、大谷選手が送金の事実を「知っていた」場合についてです。この場合は「送金の理由」がポイントになります。 (3)送金知っていた+大谷選手に「嘘」の説明 水原氏が大谷選手に「嘘」の説明をしていた場合、例えばスポーツ賭博と言わずに、別の理由で「送ってほしい」と言った場合には、大谷選手をだましたということになりますので「詐欺」にあたるということです。この場合は、先ほどよりも“より重い罪”の可能性があるということです。 (4)送金知っていた+大谷選手に「賭博」と説明 水原氏が大谷選手に「賭博」と説明していた場合、水原氏には「違法賭博罪」が科され、大谷選手も「捜査対象になる可能性がある」ということです。