財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券の残高を合計した「国の借金」が6月末時点で1255兆1932億円になったと発表した。
3月末から13兆8857億円増加し、過去最大を更新。7月1日時点の人口推計(1億2484万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約1005万円となった。
新型コロナウイルス対策や高齢化による社会保障費増加で膨らむ歳出を、国債発行で賄う厳しい財政事情が続いている。「借金」が増加したのは、一時的な資金繰りのために発行する政府短期証券が110兆4988億円と24兆2999億円増えたため。一方、普通国債は7兆759億円減の984兆3353億円、財投債は1兆5606億円減の103兆635億円だった。
財投債や政府短期証券などを除いて算出する税金で返済する必要がある国の長期債務残高は、6月末時点で1010兆4246億円に上る。地方も合わせた2022年度末の同残高は1247兆円程度になる見通しだ。