プーチン氏は14日テレビ放送された外務省当局者を前にした演説で、ロシア軍による停戦と引き換えに、ウクライナはドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポリージャの各州から軍を引き揚げる必要があると主張。ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念することも求めた。
プーチン氏の発表は、15日からスイスで開催されるウクライナ「平和サミット」を意識したものとみられる。サミットの狙いは国土からのロシア軍完全撤退を求めるウクライナの和平案に対する支持拡大で、ロシアは招待されていない。和平交渉の条件に領土放棄を突きつけるプーチン氏の提案は、2022年2月のロシア侵攻以降ウクライナが一貫して拒否している。
プーチン氏は「ウクライナ政府がそのような決定を下す用意があり、これらの州から本格的な軍撤退を開始し、NATO加盟計画の放棄について正式に通知を行うなら、ロシア側は直ちに、文字通り寸分たがわずに停戦命令に従い交渉を開始するだろう」と述べた。
ウクライナ政府はロシアが占領地から退くまで、交渉はしない方針を明らかにしている。現状のまま戦争が休止されれば、ロシアは軍の態勢を整えて再び攻撃を仕掛けてくるとみている。