中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は21日の記者会見で、岸田文雄首相のウクライナ訪問について、「日本が事態の沈静化に有益なことを行うよう望む。逆のことをしないよう希望する」と述べた。ロシア訪問中の習近平国家主席がウクライナ問題の仲介役を狙う中、先進7カ国(G7)議長国として動く日本側を牽制(けんせい)した。 汪氏は「ウクライナ危機の政治解決の条件をつくるため、国際社会は和平と対話の促進という正しい方向性を堅持すべきだ」との考えを示した。 中国は2月に発表したウクライナ問題に関する文書で、ロシアとウクライナ双方に停戦を呼びかけ、和平交渉に向け「中国は建設的な役割を発揮する」と表明した。対露非難は避けた。 米メディアは、習氏がロシアのプーチン大統領との会談後に、ウクライナのゼレンスキー大統領とオンライン会談を計画していると伝えている。