「肩透かしの判決だ」。東京電力福島第1原発事故で避難した住民らが起こした4件の集団訴訟で、最高裁が17日、国の責任を認めない初めての統一判断を示した。あの日から11年余り。故郷を奪われ、戦い続けてきた原告らは、疲労と失望の色をあらわにした。 「こんな判決が出るとは思わなかった」。福島県いわき市から前橋市に避難した群馬訴訟の原告、丹治杉江さん(65)は判決後の記者会見で呆然(ぼうぜん)とした表情で話した。 11年前、水素爆発を起こす1号機の映像をテレビで見た。避難指示は出ていなかったが、危険を感じ、夫とともに避難した。