ロシア軍の激しい攻撃を受けるウクライナ東部ルガンスク州の要衝都市セベロドネツクで25日、ウクライナ軍部隊をドネツ川を挟んで対岸に位置する都市リシチャンスクなどに撤退させる動きが進んだ。
ウクライナはセベロドネツクで実質的な支配権を失った形で、南東部の港湾都市マリウポリが先月陥落して以来の大きな打撃となる。 ウクライナのメディアによると、セベロドネツクのストリュク市長は25日、これまでにセベロドネツクから「大半の部隊が撤退した」と述べた。同国治安関係者は撤退理由について「兵士らの命を守るためだ」と指摘。リシチャンスクの陣地に合流させることで将来のロシア軍への反攻に備えることができ、撤退は「軍事的観点から、より戦略的な意義がある」と強調した。
英国防省は25日付のウクライナ戦況報告で、ウクライナ側は「セベロドネツクとリシチャンスクの区域での防衛態勢を再構築しようとしているようだ」と分析している。
